もりくみこ
もり くみこ

1976年生まれ 山梨出身
美大卒業後、海外で多くの食文化に触れた経験を生かし、
料理やグルメ関係のコラム・イラストレーターとしての活動をする。
その後、ジュエリーデザインの仕事をしながら、SNSやクックパッドで自身の料理を公開・発信し、多くのフォロワーを惹きつける。

現在は2児の母ブロガーとして、料理研究家として、
「こだわるけどとらわれない」をモットーに、シンプルで誰もが作れる安心レシピを提案中。
趣味はおいしいもの探し、寝る前の読書。
日課はヨガ、子供とお日さまに当たること。
大好きな料理家はジェイミー・オリバー。

家族の体は、お母さん(お父さん)のつくるごはんでできている。

だからこそ私は、「こだわるけどとらわれない」をモットーに、
シンプルで誰もが作れるレシピ作りを展開していきたいと常々思っています。

仕事が忙しいお母さん、子育てに追われて時間がとれないお母さん、
「食べること」が大切だとわかっているからこそ、おろそかにできない。

結局、その板ばさみで「何を食べさせたらいいかわからなくなってしまう」という方たちへ。

 

 

肉野菜炒めだけでもいいじゃない?

卵かけごはんに味噌汁だけでもいいじゃない?

 

栄養バランスを!彩りを!と悩みながら、スーパーで買ってくるお惣菜よりも、
そんな何でもないお母さんのごはんが、子供の記憶には一番残ると私は思っています。

 

膨大に溢れる加工品よりも、台所でにぎるおにぎりひとつ。
子供の心にも、体にも、ずっとずっとハッピーな効果をもたらしてくれると思うのです。

 

 

実際、私は子供の頃にお母さんがおやつに作ってくれた卵とマヨネーズとお塩だけで作る
母の「卵サンド」が、一番の好物で、学校帰りの腹ペコのお腹にストンと落ちる
シンプルさが今でも忘れられません。

また、ファミリーレストランで食べるカラフルなランチより、
「塩おにぎりと野沢菜の漬物」が何よりも記憶に焼き付いている母の味です。

 

自分が母親になった今も、その頃の記憶が良い意味で活かされています。

子供の頃に食べた、シンプルなタマゴサンドや塩おにぎりのように、
「自分と家族が純粋に好きだと思えるもの」を、作っていく。

それがきっと自分の中での「オーガニック」につながっていくと信じているから。

 

 

「これは良くて、あれはダメ!」

「これは絶対に食べてはいけない!」

ほんとうにそうなのかな?

 

食べ物自体に「善や悪」があるわけではなくて、
善悪や優劣を決めているのはこちら側だと思うのです。

ましてやファストフードのハンバーガーやカップラーメンにすら善悪はなく、
カップラーメンを食べていても腸内環境がバツグンな人もいれば、
ファストフードやお菓子を食べていても肌荒れしない人もいる。

ある人にとってファストフードは忙しい時に便利で、自分をハッピーな気分にさせてくれる
「良い食べもの」であり、
ある人にとっては、体に悪いだけの「嫌悪感のある食べもの」である。

 

食べ物のとらえ方も人それぞれ。

腸内環境や免疫力も人それぞれ。

そして体とメンタルは大いに繋がっている。

 

実際、不思議なもので、
神妙な顔して健康のうんちくをかみしめながら食べる玄米ご飯とぬか漬けよりも、
何も考えずに大好きな人と笑い合いながら食べているハンバーグやスパゲッティのほうが、
私は体温も上がっていて、体の内側から軽くなっていくのを感じます。
そんな楽しい時間のほうが、体がポカポカしているんです。

 

 

95歳になる私の祖母は、昔から甘いものもお酒もジャンクフードも何でも食べますし、
「健康効果」なんて気にしたことがないですが、いつも手をにぎると私よりあたたかく、
羨ましいぐらい心が穏やかであり、晴れやかです。

 

何はともあれ、
「ガマン」や「しばり」を作りながら食べる食事より、
「ああ、美味しかった!ごちそうさま!」 って食事を終われたら、いろいろ大丈夫な気がする。

 

だから、 頭で「健康効果」や「善悪」などを考えながら食べるのではなくて、
「おいしい」「心地よい」とか「自分に合ってる」を大切にして食べられたらいいなと。

 

だって、食べものには、健康や栄養とは別に、
それを作ってくれた人のパワーものるから。

 

だからそれを食べた私たちにもきっとパワーが生まれるんじゃないかな。

 

例えば、小麦作りから大事に大事に育てられ酵母を起こして作ってくれたパンたち。
ひとつづつ、どんな料理に合わせて食べようか、
考えをめぐらす時間が私にとって一番の至福です。
家族の思考も、すごく柔軟で豊かになってくる。

 

 

怒りや焦りや悲しみを原動力にするよりも、
そういう「ありがとう」の思いや、愛を糧にして食べているほうが、
ずっと体の栄養になるんじゃないか。
なんて、私は信じています。

 

このバゲットには発酵バターと自家製ハムを挟もう。
こちらのカンパーニュには、春野菜のポタージュスープと一緒に食べようかな。
こちらのライ麦パンは、ビーフシチューに添えようかな。

 

ワクワクすることを考えるだけで、
体は軽くなっていく。

 

 

それがまさに、作り手の思いやパワーが食べ物にのっているということだと私は思うのです。

 

実は私は、健康にとらわれすぎると逆に「不健康の思考」にハマってしまうんです。
小さな範囲だけで考えていると思考が二極化しやすいから、まわりが見えづらくなってくるだけでなく、
自分の視野も限定していき、生きづらくなってしまう。

 

でも、いろいろな視野を持つことで、自分だけでなく自分を囲む家族の思考も、
すごく柔軟で豊かになってくる。

 

結局、毎日をどう楽しむか?
今日はどんな一日だったか?
自分次第で決まる。

 

だから私は、健康のために生きるのではなくて、
自分のために生きたい。
それが結果的に、自分の心と体をつなげて、
健康にしてくれると思うから。

 

だからこそ、「こだわるけど、とらわれない。」

 

 

体が美味しいと感じる食事、つまり、
「自分や家族が心地よいと思える食事」
をこれからも作り続けていこうと思います。

そして、みなさんとこれからも肩肘はらずに考えられる献立を、シェアしていこうと思っています。

 

さて、今日もごはんをつくりましょ。