
こんにちは。編集部です。
今回は第2回 “運動時の水分補給編” です。
元プロテニスプレーヤーで、編集部である江口の高校生活をモデルに、管理栄養士で編集部の高橋がワンポイントアドバイスをしてみました!!
今回のポイント
① 運動中の熱中症を防ぐために
② 水分補給の適切なタイミングと量
③ 運動時の水分補給に適切な飲料は?
↑江口さん
はじめに、元プロテニスプレーヤーの江口さん(詳しくはこちらで)に
水分補給で気を付けていたことなどをインタビューしてみました!

プロになってからは、ポカリでしたね!


量は特に気にしてなかったですね。でも、高校時代のダイエットしている時は
少しでも減らそうとしてあんまり飲まないようにしていました!笑


取りすぎたなって思ったことはないですか?
足がつった時に足りないなって思いました。ほとんどないけど、
ごくたまに水分を取りすぎると、お腹が冷えてお腹壊した時は
水分とりすぎたなって思ったくらいですね!


気をつけるようになったのはプロになってからです。
糖質多いからスポーツ飲料ばかり摂りすぎないとか、
コーヒーは利尿作用があるからなるべく飲まないとか・・・!


学生の頃はほとんど水分補給については気にしていなかったようですね。
では江口さんのインタビューを踏まえ、運動時の水分補給でのポイントを見ていきます。
① 運動中の熱中症を防ぐためには?
人の体の水分量は約60%です。日常の生活を送っているときでも、汗や尿などで多くの水分が失われています。
運動・スポーツ時は通常より多く発汗しているのでいつも以上に水分補給をしなければなりません。
脱水症状がおきると体の反応が鈍くなり、運動能力が低下してしまいます。
運動のパフォーマンスが落ちると、怪我をする確率が高まります。下記の図1は、1日の体内水分量の流れを表したものです。
図1
参考:環境省熱中症マニュアル(2014)
運動前後に体重を測ることも水分不足を防ぐのに効果的です。
運動中にどれくらい汗をかいているのかを知り、それに見合った量の水分を補給するのが基本です。
江口さんの場合、15〜30分でこまめに水分補給をしていたため、熱中症にもならず、野外でテニスできていたのですね。
② 水分補給の適切なタイミングと量
運動中に「水を飲みたい」と感じることは、汗をかく(体液を失う)とすぐに引き起こされるわけではなく、やや遅れて感じ始めることがわかっています。
また、飲んだ水分が胃を通り、小腸で吸収されるのに20分程度の時間がかかるため、運動を開始する前に水分(こどもであればコップ1杯程度)をあらかじめ飲んでおいたほうが、体にも優しく良いパフォーマンスにつながりやすいそうです!
(1)運動を始める約30分前
250~500mlを何回かに分けて飲む
(2)運動中
20~30分ごとに、ひとくち~200ml程度を飲む
(3)運動が終わった後
減った体重を補うように何回かに分けて飲む
運動やスポーツで汗をかいた時は冷たい水がおいしく感じられますが、冷たすぎるものは内臓に負担がかかります。一気に飲むとお腹をこわしたり、体がだるくなりやすいのでこまめに飲むことを意識しましょう!
③ 運動時の水分補給に適切な飲料は?
汗を多くかくときに失われるのは水分だけではありません。
汗と一緒にミネラル分も放出されます。そのため、水分だけ摂取するのではなく、汗をたくさんかく前にもミネラルの入った飲料を飲んでおくことが必要です。
日本体育協会では、0.1〜0.2%の食塩と、糖分を含む飲料水を熱中症予防に効果的な飲み物として推奨しています。
ミネラル分が効率的に摂れる飲料水といえば、スポーツドリンクが代表的ですが、スポーツドリンクには糖分が含まれていますから、飲みすぎると糖分の摂りすぎになってしまうことも・・・
あくまで大人用の飲み物として認識し、子どもが1日に必要な水分量すべてをスポーツドリンクで補うのは避けた方がいいと思います。
表示ラベルに『100mlあたり20kcal〜30kcal』と書かれていたら、
500ml換算だと、角砂糖が5〜7個入っている計算になります。
そう考えると、熱中症対策とはいえ1日にスポーツドリンクを何本も飲むことは控えたほうがよさそうですね。
運動時にたくさん汗をかき、たくさん水分補給をする場合、スポーツ飲料を、通常の2〜3倍ほどに薄めれば、糖分を摂りすぎることを抑えることができます。
これなら、子どもでも糖分を気にしすぎず、水分と塩分が効率よく補給できますね。
水やお茶を飲みながら、スポーツドリンクも摂ることも一つの方法です。
こどもの水分補給について、運動のパフォーマンス向上や健康のため
ちょっとでも考えてみてください!!
次回は、第3回“大会前後の食事編”です!